top

2010年11月2日火曜日

スープ・オペラ



阿川佐和子原作の同名映画
スープ・オペラ

エッセイストとしても、キャスターとしても活躍する阿川佐和子の同名小説の映画化『スープ・オペラ」を観てきた。
ひょんなことから男性二人と共同生活することになった独身女性のドラマ。
三人を結びつけたのが、お金はかかってないけど、栄養満点の鶏ガラスープ。親のように育ててくれた叔母ゆずりのレシピで作ったものだ。
その叔母がある日突然男をつくり、家を出て行ってしまい、ぽっかり空いた主人公のルイの心を埋めたのはスープが縁の二人の男。自称画家の怪しい風貌のトニーと、友人が務める雑誌社の編集部でアルバイトをするいつも笑顔が印象的な康介。
奇妙な三人暮らしが始まる。
奇妙だが心地いい関係がしばらく続く。きちんとごはんを作り、一緒に食べることが明るく生きるバロメーターになる。
しかし、勢いで康介と男と女の関係になったとたん、三人の関係もじょじょに崩れていき、
トニーの父親疑惑も重なって、ばらばらになってしまう。
途中で何度も挿入されるアコーディオンとヴァイオリンとオーボエの楽団の演奏や、猫のかわいさも相まって、スープと薄いハムカツとメルヘンチックな映像が妙に心にぐっとくる。
ゆるい演出効果を堪能して、人の温かさをじんわり感じられればそれだけで、観た価値はある映画だ。

大切にしたい人がいる。
思いはいつもつながっている。
きちんとごはんを作ること。
だれかと一緒に食べること。








0 件のコメント:

コメントを投稿