京都の日本建築の老舗、中村外二工務店の二代目である中村義明氏の特別講演に行ってきた。
中村氏は四十年前、家業 中村外二工務店に入店以来、日本各地だけでなく海外も含め、二百棟を数える木造建造物の新築に従事してきた。大阪万博茶室が最初の仕事で、ニューヨーク ロックフェラー邸や日本各地の住宅や公共茶室、迎賓館、商業施設を施工、時には設計施工してきた人だ。
中村氏は講演のなかで、建築における物作りの原点は何かを話してくださった。
「それは建築に使用する『材料』そして『建築主』であります。建築の要素は、素材としての『材料』であり、その材料を加工する『技術』であり、材料の寸法と組み合わせの『調和』であります。
建築主の建物への思いや夢、そして建築主の美意識が建築物の骨格や装飾を創り上げる。
材料の出会いですら建築主の力量により生まれます。
物作りの人間は大いなる力量の建築主に巡り会えることが満足できる作品を創り出せる基であります」。
そして五感を使って建築物に接してくださいとも。何度も接しているうちに、その建築物の良さが分かってくるようになる。
値段やそういう価値観でしか見れない現状を嘆いていらしたが、本物を見る力は五感を使えば養うことができると。
なるほどいい建築物には必ずいい建築主の顔が現れている所以か。
今後の日本建築への見方が変わる講演内容だった。
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