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2010年1月27日水曜日

讀賣新聞 展望2010


今日の朝刊14面の記事。「懐深い 伝統と暮らし」というタイトルで文化・生活部部長の石垣朝克氏が書いている。

「くらし面を担当していた生活情報部と、文化、芸能面の取材をする文化部が昨年10月に合併して、『文化・生活部』になった。しかし、まったく異なった分野が統合したのではないと思っている。
東京から転勤してきた記者は赴任直後、「大阪の言葉は難しいんや。『ホンマにアホやな』と言っても、単純にけなしてるとは限らへん。否定的な言葉でも話の流れで最上級のほめ言葉になり、逆に『エエやつやな』と言ったら皮肉にもなる」と取材先の作家に教えられて驚いたことがある。
「太閤さん以来の商都の伝統が、相手を気遣い、傷つけないよう言葉にいくつもの意味を持たせて発展させたんですね。懐の深い文化的な街だと感じて好きになりました」と話す。
関西は、邪馬台国論争の舞台となる時代からの長い歴史があり、今年は平城遷都から1300年にあたる。伝統芸を中心とした上方文化が栄えた京都や大阪、外国の文化をいち早くとり入れた港町の神戸など、地域に根ざした文化が、そこに暮らす人々の生活にとけ込み、連綿と受け継がれている。
長い歴史とそのなかから生まれた文化。それが幾重にも重なり、土壌となってその上で人々が育ってきた関西。伝統と文化の奥にあるものも人々の心も根っこは同じ。それが関西だと思う。
人々の日々の暮らしには、喜び、悲しみ、悩みがつまっている。生活に根づいた文化は、そんな暮らしを映すものだ。今を生きている人たちの暮らしぶりと、そこで育ち続ける文化を伝えていきたい」

石垣氏の想いに共感した。関西の街を取材していると、その街特有の匂いや、空気、色を感じることが多い。同じ市内でも町ごとに特色があり、町内でもエリアごとに空気が違ったりする。その町やエリアで生活する人たちのリアルな声や表情を、ストレートに紹介していきたいといつも思う。どんなに小さなコミュニティでも存在意義があり、皆そこでお互いを支えあって生きている。もしくは参加するだけで幸せを感じたりしている。
もっとたくさんそういった小さな共同体や個人をフォーカスしていきたい。そしてその動きはすでにいたる所で始まっていることを伝えたいと思う。
街は日々繰り返される出来事の中で、さまざまな表情を見せてくれる。だから面白い。
街をもっと楽しもう。

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